きょうだいのたんじょうび
25歳。
わたしは決していい姉ではなかったと思う。
先日、祖母と母の口論のなかで、ショッキングなことを知った。
「中学生のとき、かばんのなかに***を忍ばせているのを見たことがあるのだ」――と。
彼は加害者になるかもしれなかった。なってもおかしくはなかった。
でもならなかった。
彼は被害者だった。
立派だよ。あんたは立派だ。
よくがんばった。
だから、祖母にも母にも父にも言う。家族、親族みんなに。
「わたしは、あの子が、いまの子みたいにいじめを苦に自殺することなく、それから逃げて、学校に行かなくたって、それでも生きていてくれてよかったと思うよ。
逃げてでも、生きていてくれてよかった」
「かわいそうやら言うなって! かわいそう言うたら、ホンマにかわいそうな子になるやろうが!」
「あの子はあの子で考えがあるんやって」
「わたしだって、あの子の年くらいのころには半年も働かんでおったときがあったん!
みんな知らんだけでねぇ、無職やったんよわたし!
東京におったけん、知らんだけでね、わたしだってリクルートやめて宝島に入るまで、半年は外にもできらんでおったん!
遠くにおったから、知られんで済んだだけや。知られんで放っておかれとったからよかったんや。
それでもなんとかなるんやから」
でも、知ってる。
みんな、あの子のことを心から想っている気持ちはおなじ。
想うがあまり……なんだよね。
いつも尊敬してやまない父。
だけれど、父夫婦(母じゃなくて)には「あんたら、サイテーだ」と言いたくなる。
弟のことに関しては。
父には“父親としての厳しさ”をもってほしい。
母には“経営とはなにか”を学んでほしい。
そのために、わたしはあっちでこう言い、こっちでこう言いする。
「ごめんね」って心のなかで謝りながら。
自分の犯してしまった罪を、あの子にかけてしまった負担を、詫びながら。
たったひとりのきょうだい、
あんたは立派だよ。
だいじょうぶ、あんたならできるから。
生きとってくれて、ありがとな。
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コメント
多くは語りませんが、大切な弟さんを思う麻里さんの気持ち、痛いほど伝わってきました。
これからも、いたわって慈しんで、大切にしてください。ぼくも妹が一人だけです。たったひとりのきょうだい、かけがえのないものです。
投稿: Yasushi | 2007年5月 3日 (木) 21:47
★Yasushiさん★
ありがとうございます。
Yasushiさんには妹さんがいらっしゃるんですね。
きょうだいって親とも友人とも違う、不思議な絆で結ばれていますよね。
過去ログをあさってみたら、去年のおなじ日にも、おんなじような日記を書いていて、われながら苦笑してしまいました。
http://blog04.okawauchimari.net/2006/05/post_22e0.html
投稿: 大川内 麻里 | 2007年5月 4日 (金) 10:43